こんにちは、人とモノの関係をよりよくするヒトモノラボの石渡知里です。
9月に渋谷で開催されていた無駄展に行ってきました。
Twitterを眺めていると、たま~に流れてくる無駄な(だけどちょっと面白い)装置。これらが展示されている展示会です。
結論、無駄な時間、無駄なモノを楽しめる人生でありたい
無駄展で一番好きだったのは、イヤホンを絡ませる装置だ。
白色のイヤホンと緑色のイヤホンを装置に入れて、スイッチを押すとあら不思議。しっかり絡まっている。
絡まったイヤホンを解いていく時間もくだらなく楽しかった。
整理収納アドバイザーという資格を取得してから7年が経とうとしている。
この間、自分のモノと何度も向き合ってきた。ミニマリストに憧れたり、見せない収納に憧れたり、見せる収納に憧れたり、映えるラベルに憧れたり…
何かに憧れるたびに、自分と向き合い、自分の人生で大事だと思うモノを手元に残してきた。
私にとって一見無駄だと思うようなモノ、生産性のない無駄な時間はとても大切であるというのが今の結論だ。
世間から見たら「無駄」であっても私にとっては大切なモノ。外野の「無駄!無駄!」攻撃をひらりとかわして、無駄な時間や、無駄なモノを愛でることができる暮らしこそ、私が目指す暮らしなのだと思う。
そもそもこの結論にたどり着くまでは長い道のりがあった。
ごみ捨て期|私の部屋に無駄なモノなど一つもない!全てがときめく物なのだ
7年前。整理収納アドバイザー取得後の私の部屋は、足の踏み場がない「〇〇しっぱなし」が山のように積み重なった6畳の部屋だった。
不思議なことに、よく使う物に関しては何がどこにあるかだいたい分かっていた。
当時話題になっていた書籍「人生がときめく片づけの魔法」を読み終わった私はこう思っていた。
「私の部屋の物は全てときめく物だけだ!捨てるものなど一つもない。」
ひどい勘違いだ。でも本当にそう思っていた。だって私は自分が気に入った物だけを買ってきているのだから、ときめかない物などあるわけがない。
こういう状態の時にできることはただ一つ。
ごみを見つけて捨てること。
当時の私はごみ分別がまともにできなかった。ごみ捨ての曜日も良く分かっていなかった。だから淡々とごみ捨てだけを行った。
こういう状態にある人は、ごみとごみじゃない物を分ける。ごみを自治体の分別に沿って分ける。毎週ごみを捨てるというリズムを作ることがとても大事だと思う。
リサイクルショップ期|使わないからごみで捨てるなんて出来ない!物が活用される方法を模索
明らかなごみをごみとして捨てられるようになった頃…
私は自分が持っている物の中には、人から貰った物だから捨てられない物や、買ったときは良いと思ったけど使ってみたら微妙だった物が存在していることに気が付いた。
今後、明らかに使う予定のない物を手放そうと決めた。
しかし、どんな物であれ縁があって私の元に辿り着いた物達だ。
ごみで捨てるなんてことは出来ない。壊れている訳ではない。まだ使える物が多かった。
まず初めに物を売ることにした。
ブランディア、BOOK OFF、セカンドストリート、フリーマーケットetc…
自分が思っている以上に低い価格しか付かないことにショックを受けた。
特に高かったと感じていた物に関しては売ろうとすれば強い精神的ダメージを受けるということを知った。
購入するときに「高いな…」と感じるものは買ってはいけないのだと自分に言い聞かせるようになった。
買取価格の安さに関しては最初は衝撃的だったものの、徐々に慣れてくる。
自分は使えない物でも、ごみで捨てる必要がなく、誰かに使ってもらえる可能性があることに喜びを感じていた。
正直、当時の私はリサイクルショップをごみ箱のように使っていた。
自分が罪悪感を感じにくい手放し方を見つけた事で物がどんどん減っていった。このままいけばミニマリストになれるかもしれないという希望さえ抱いていた。
使い切る期|いつか使うのではなく今使え!買い物せずに物を使うことで量を減らす
リサイクルショップ期とほぼ同時じタイミングでやっていたのが、買い物を控えることで物を減らす方法だ。これだけ物があるのだから、ある物でなんとかしようと思った。
当時の私は1ヶ月も物を買わないなんて大丈夫かな??とドキドキしていた。
結果として1年近く新しく物を買わずに過ごした。買い物は使い切った場合と買い替えの場合に限定した。
化粧水などの消耗品を使い切るまでにかかる期間を調べたら、自分が思っていた以上に長かった。毎月ドラッグストアに行く必要が無かったのだと衝撃だった。
物の量が少し減ってくると、物の状態を確認できるようになってきた。100円ショップの物もユニクロの服も1年でダメになることはほとんどなかった。
つまり、今ある物を使い切ってごみで捨てるようにしようと思ったら、とてつもなく長い時間がかかるのだと気づいた。それは買い物で新しい出会いを楽しむ機会の減少にもつながることに気づいて絶望した。
かい…もの…してぇ…、おか…ね…つか…いてぇ……
私は買い物が好きらしいということが分かった。
と、同時にミニマリストへの夢をあきらめる事になった。
買い物コントロール期|バンバン買って、バンバン捨てる!買い物を楽しみ、物を増やさない暮らし
価格が高くて質が良い物を長く使う暮らしは自分に合っていないことに気づいた私は、物を買い替える際は安い物を購入、高頻度で使用し、使い切ることで程よく買い物が必要になる暮らしに切り替えていった。
物を選ぶことを楽しむ自分と、物欲をコントロールする自分が、程よいバランスで存在していた。
この頃には買い替えの物以外で欲しい物があったときは、代わりに何を減らすか頭の中で考えられるようになっていた。
自分の持ち物の整理を3周くらいやったことと、物の量が減ったことが良い効果をもたらしていたのだと思う。
物欲のコントロールに関しては、生活の中からストレス減らしたことで効果がでているように感じた。
一番大きいのは仕事のやりかたを変えたこと、フルタイム正社員をやめて時短労働派遣に変更したことで、何も考えずに爆買いしたい欲はほとんど顔をださなくなっていった。
物がうまくまわるようになってきたら、新型コロナウィルスがやってきた。
リサイクルショップ期、使い切る期、買い物コントロール期のリズムが大きく崩れるきっかけになった。
私の物の買い方って、全然エコじゃないし、地球に優しくない。こんなお金の使い方で良いのだろうか?
SDGsと買い物は投票期|買いたいと思っていたお店が、ブランドが、姿を消していた
新型コロナウィルスが流行した最初の1年は出社しない代わりに有給をガンガン消化していた。有給があっても外出できないので、ぼーっと何かを考えることが多くなっていった。
日本から衣類の不用品が輸出できていないニュースが入って来たときは、バンバン買って、バンバン捨てる暮らしはあまり良い事では無いと感じるようになった。
時間があるのでゆっくりインターネットショッピングをしようと、欲しかったブランドやお店を探すとGoogleでヒットしない日々が続いた。飲食店だって通っていた店が閉店していることもあった。
お店やブランドは誰かが買うから存在できるのだ。欲しいな~食べたいな~と眺めているだけでは存続できない。誰かがお金を使うから存在し続けられるという当たり前の事を痛感することになった。
また、安い物には製造過程で無理をしている可能性があるのだと感じる報道もあった。
物を買うというのは、選挙に行って投票するのと同じだ。
存在し続けて欲しい店にお金を落とす、製造過程で誰かが涙を流していない商品にお金を落とす。それが、巡り巡って自分の賃金や労働環境にも影響があるのだと感じるようになった。(感じただけだけど)
暮らしが辛いとき、忙しいときは、安さ、手軽さで物を購入してしまうことがある。しょうがない事でもある。無駄なモノ・コトを省く事でしかゆとりを生み出せないときだってある。
でも、暮らしに少しゆとりがあるとき、ゆっくり考える時間ができた時は、どの会社にお金を落とす事が未来にとってよいのか?自分にとってプラスになるのか考えてみたいなと思っている。
ポイント○倍や、本日限定に惑わされず、無駄も愛おしいと思える暮らしを目指していきたい。